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レイジィ大石君

2015/01/26~2015/02/01

2015/01/26(月)
18:15仕事終わり。
「秋日和」(1960年日本、小津安二郎監督)。DVD。
めちゃくちゃ面白かった。
岡田茉莉子がステキ。
「秋刀魚の味」(1962年)とほとんど同じ話。

2015/01/27(火)
18:45仕事終わり。
「赤線地帯」(1956年日本、溝口健二監督)。DVD。
売春禁止法が施行される直前の吉原が舞台の売春婦群像劇。
若尾文子が好きです。
京マチ子が気が狂ったような女を演じていて凄い。
面白かった。

2015/01/28(水)
17:30仕事終わり。
18:00「トラッシュ!」(2014年イギリス、ブラジル、スティーブン・ダルドリー監督)
ブラジルはリオにある巨大なゴミ集積場でゴミ拾いをするラファエル(14歳)はある日ゴミの中から財布を拾う。
その財布には何かがあるらしく、次の日から彼と彼の友達ガエル、ハットの3人は警察に追われることになる。
3人で協力し、腐敗しきっている警察と戦いながら、その財布がもつ秘密とは何なのかを探っていく冒険譚。
非常に面白かった。
ブラジルのスラム街の少年の話ということで、「シティ・オブ・ゴット」(2002年ブラジル、フェルナンド・メイレレス監督)を思い出してハードルが上がりまくってたけど、それとはまた違った良さがあった(ちなみに、「シティ・オブ・ゴット」に出ていた役者が出ていたらしいです)。
ブラジルに派遣されているアメリカ人の神父(マーティン・シーン)とソーシャルワーカーの女(ルーニー・マーラ)が未開のブラジルで奮闘する話かなと思ってちょっと見るのを躊躇していたんだけど、そうではなかった。
にしても、ブラジルが地獄見たいな土地として描かれていた(警官は腐敗しきっているし、リオの刑務所とかゾンビ映画かよって感じ)けど、本当なのか?

2015/01/29(木)
18:15仕事終わり。
「雨月物語」(1953年日本、溝口健二監督)。DVD。
上田秋成の「雨月物語」から相を得た話という説明が最初に入る。
戦国時代、琵琶湖畔に住む2組の夫婦の話。

2015/1/30(金)
月1の帰社日。
書類作成など。19:30終わり。
「浮雲」(1955年日本、成瀬巳喜男監督)。DVD。
戦後、日本に引き揚げてきたユキコ(高峰秀子)が、どうしようもない男富岡(森雅之)に振り回されて、それでも離れられないという。
高峰秀子の喋り方がステキ。

2015/1/31(土)
9:50「ジミー 野を駈ける伝説」(2014年アイルランド、ケン・ローチ監督)
1922年から10年ニューヨークで生活をし1933年に、アイルランドに戻ってきた活動家ジミーが主人公。
ジミーと彼の旧友は、彼らが10年前に建設して、いまは閉じられたままとなっているダンスホールを再建する。
そこでは貧しい農民への詩、音楽、ボクシングなどの教育、またダンスパーティーも催される。
彼らの行いは、旧態依然としたカソリックの神父や大地主の後押しを受けた政府側から徐々に圧力を受けることになる。
大変面白かった。
映画中の風景はほとんど「静かなる男」(1952年米、ジョン・フォード監督)と同じ。
ジミーに対立しているこの人は誰なのかとか、何と戦っているのかとか、わからない部分があった(とくに序盤)。
アイルランドなのでIRAとかイギリスからの独立とかカソリックとプロテスタントとか地主と小作人とか共産主義とか色々な要素が複雑に絡んで来る。
見るほうにもうちょっと知識があるともっと面白いんだろうなと。

13:30「エクソダス」(2014年米、リドリー・スコット監督)
全然呼ばれていなかった。
全編どうでもいいという感じで、ずっと眠かった。
自分がユダヤ教徒でもキリスト教徒でもイスラム教徒でもないからこんなにつまらないと思うのだろうか?

16:40「ジョーカーゲーム」(2014年日本、入江悠監督)
絶望的な気分になる。
もう、見たことすら忘れたい映画でした。

2015/02/01(日)
映画の日ということで、朝から新宿武蔵野館に並ぶ。朝から長蛇の列ができていた。

10:20「激戦 ハート・オブ・ファイト」(2013年香港、ダンテ・ラム監督)
資産家の息子でありながら親の金には一切手をつけず放浪の旅を続ける、スーチー。ある日、北京で開かれた同窓会の席上、父親の運営する会社が倒産を知る。
多額の借金を抱えながら、香港でタクシーの運転手をする元ボクシングチャンピオンのファイ。ある日、借金の取り立てにせめられ、運転していたタクシーを焼かれてしまう。
マカオで旦那に捨てられ、酒に溺れながら幼い姉弟を育てるクワン。ある日、お風呂に溜まったお湯で遊んでいた弟が足を滑らせ湯船に転落する。酒を飲んでいた母親の彼女はソファで眠りこけて居た。
彼女は幼い息子の死の責任を一人で引き受け、精神を病んでしまう。
姉のシウタンはそんな母親を支えて居た。
マカオで開催される総合格闘技大会の優勝者に莫大な賞金が支払われるらしいということを聞きつけたスーチーはマカオに行き、ジムを訪ねる。
「総合格闘技の大会に出たいんだ!なんでもする!どうか僕に総合格闘技を教えてください」
「そんなこと言っても後ひと月しきゃないんだから無理だよ」
「いや、そこをなんとか!本気なんだ!僕を鍛えてくれ!!!」
スーチーの剣幕に押されたジムのオーナーはしぶしぶスーチーの願いを了承する。
ジムにはファイのボクサー時代の先輩が指導をしており、彼を頼ってきたファイとスーチーがここで出会う。
ある日、ファイが元ボクシングチャンピオンだと知ったスーチーは「僕にボクシングを教えてくれ!」とファイに詰め寄る。
スーチーの熱意に押されたファイがスーチーの師となり2人の特訓が始まる、、、
熱い映画だった。
中盤、大会に出場したスーチーにまさかの事態が起こり、それに借金から来た災厄が重なって、ファイがどん底に落とされてからが、またさらに熱い展開。

12:45「チョコリエッタ」(2014年日本、風間志織監督)
5歳のころ、両親に連れられて山へ行ったときに車の事故にあい、母親を亡くしてしまったチヨコ(森川葵)。
10年後、母親とともにかわいがっていた飼い犬のジュリエッタが死んでしまう。
母親の死のせいか、それとも元々の性格か、高校2年生となった彼女は、フェデリコ・フェリーニの映画、とくに「道」にほとんど病的にとりつかれている不思議ちゃんになっている。しかも、なんだかとっても不機嫌。
夏休みになり、高校を卒業して浪人生をしている映画部の先輩、正岡正宗(菅田将暉)とともに、バイクに乗って映画を撮る旅に出る。
チヨコがとにかく不機嫌で、正宗先輩を振り回しまくっているという映画だった。
いちいちチヨコに付き合う正宗先輩が偉い。
この映画、そうであると明示されているわけではないんだけど、母親を亡くした年が2010年という設定なので、2020年が舞台となっているらしい。高校の教室の掲示板に、日章旗があしらわれた自衛隊のポスターが貼られていたり、街中に張り出された政権ポスターに落書きがされていたり、2人がバイクで向かう先が誰もいなくなり荒廃した福島(多分)だったりとディストピア的な雰囲気がところどころ出ているのも面白いなと。

17:00「おみおくりの作法」(2013年イギリス、イタリア、ウベルト・パリゾーニ監督)
ロンドンの民生課で孤独死を迎えた人の親類縁者を探したり、葬儀を挙げる手はずを整えたりする仕事をしているジョン・メイを主人公に、彼がリストラ宣告を受けたのち、最後のケースとなるビリー・スタークについて調べているうちに、奔放だったらしいビリー・スタークの人生と、静かで自らも妻子も親類縁者もいない自分の人生がだんだんとクロスしていき、という話。
かなり面白かった。
ただ、最後のシーケンスに至る前のエピソードが、そんなことして良いのかよという気がしないでもない。そうしないと最後の最後オーラスのエピソードが生まれないというのはわかるんだけど、、、

19:00「さらば、愛の言葉よ」(2014年フランス、ジャン=リュック・ゴダール監督)
ゴダールの新作は3D。
観る前は、寝るかなと思って、ちょっと不安だった。
だけど、やたらと面白くて全然寝なかった。
前面に柵があり、その柵が飛び出しており、その後ろに人が立っていたり、雨の中を走る車の中から撮られたシーンでは雨を受けるフロントガラスがこちらに飛び出してきていたり、人物と人物が交差する様子が交互に飛び出していたり、とにかく、めちゃくちゃな3Dの使い方をしていて、頭がふらふらになる。
「1.自然」「2.暗喩」という題がつけられた語りが交互に繰り返されて、その合間に「AH DIEU」(オー 神よ)とかでてきたりして、原題が「Adieu au langage 3D」なのでダジャレかよとか思ったり(ちなみに、au langageという文字が出た後に映し出されるのがオレンジだったんだけど、それもシャレかな。LとRが違うけど)。
ストーリーはやっぱり良くわからないんだけど、どうやら小説やら哲学書からの引用で構成されているらしい。
本日4本目でぼぉっとしてきた頭に程よいわけのわからなさだった。
ちなみに、「おみおくりの作法」と「さらば、愛の言葉よ」は同じシネスイッチ銀座という映画館でやっておりどちらも満席だったんだけど、客層が全然違った。「おみおくりの作法」のほうは銀座らしい若干高めの年齢層で落ち着いた雰囲気。「さらば、愛の言葉よ」のほうは大学生くらいの若者が多くいた。