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2014/12/09~2014/12/14

2014/12/09(月)
朝、無意識の内に目覚まし時計を切っていたらしく、1時間寝過ごす。
いっそ休もうかなと思ったが、割と急な作業が入っていることを思い出し、遅刻の連絡。
19:30仕事上がり。
白菜とマイタケと鳥肉を炒めて食べる。
ビールを呑みつつボクシングを見る。バーナード・ホプキンス(49歳の世界チャンピオン)が完膚なきまでにやられていた。
来年の初めには50歳の世界チャンピオンのはずだったのにな。

2014/12/10(火)
18:30仕事上がり。
「俺たちスーパーポリティシャン」(2012年米、ジェイ・ローチ監督)。録画。
ウィル・フェレルが出ているコメディ。
ノースカロライナ州の共和党下院議員予備選挙が舞台。
対立候補も無く、緩み切っている4選議員のウィル・フェレル演じるカム・ブレイディ(ヒドい名前だな)が、ティーパーティー系のロビイストに支援されたマーティー・ハギンス(ハングオーバーのザック・ガリフィナキス)の挑戦を受け、ドロドロの中傷合戦を繰り広げるというもの。
ノースカロライナ州自体がそういう選挙戦をすることで有名なところらしい。
見ていてとんでもないなぁ、となるがこの映画で描かれていることは誇張はあるとはいえ、ほとんどアメリカで実際にあったことが元になっていたり、実際の人物をパロってたりするらしい。
こういう政治パロディのコメディが結構作られていて、そこそこ人気があるらしい。
面白かった。

2014/12/10(水)
18:45仕事上がり。
「浮草」(1959年日本、小津安二郎監督)。録画。
自身のサイレント映画「浮草物語」(1934年)のセルフリメイクらしい。
冒頭、「大映映画」と出てきて、おっとなる。小津が撮った唯一の大映映画らしい。
旅芸人一座の話。大変面白い。

2014/12/11(木)
18:00より、出先の忘年会。小規模のアジア料理店を貸し切っての立食パーティー形式。
景品が当たる。子供向けのボードゲームのようなもの。子どもがいる人に差し上げる。

2014/12/12(金)
昨日に続き、今度は会社の忘年会。品川、19:30開始。
21:00頃、締めのあいさつが始まる前に抜け出し、会社の同僚3人と居酒屋で飲む。
23:30まで。そんなに飲んでいないつもりだったが、結構飲んでいたらしい。
帰宅途中、近所のマクドナルドにより、ポテトとチーズバーガーを購入し、コンビニで買ったビールを飲みながら帰っていたような気がする。何もなくさず、ちゃんと家に着いたのでOK。

2014/12/13(土)
9時頃起床、二日酔いでフラフラ。
1時間ほどうだうだした後、渋谷へ。
イメージフォーラムでポーランド映画祭のチケットを購入。
初回が14:00なので、別の映画を見てもよかったのであるが、なんだか頭がふらふらするので、近くのビルにある喫茶店に逃げる。
喫茶店が混んでいるのか店員が少ないのか、ブレンドコーヒーを頼んだだけなのに、20分以上待たされる。
隣のテーブルの一団は「ふざけんな」と言って怒って帰ってしまった(後払い方式の喫茶店なのでお金は払っていないと思う)。
「さすがに、20分はきついな。ドトールにすればよかった。」と思いつつ、本を読んだりスマホをいじったりしていたらそのうちコーヒーもやってきて、1時間くらい時間をつぶす。
その後、渋谷をふらふらしたり、本屋に行って高橋源一郎の新作(『「あの戦争」から「この戦争」へ』)を買ったりする。

14:00「木漏れ日の家で」(2007年ポーランド、ドロタ・ケンジェジャフスカ)
古びた邸宅に飼い犬のフィラデルフィアとともに住む頑固者のおばあちゃん(80歳くらい)の話。
以前は人に部屋を貸したり、ロシア人をかくまっていたり(あまり詳しくは語られない)していたくらいの広い広い木造の邸宅の中で、おばあちゃんが隣の住人(成金と呼ばれ、彼女の邸宅をお金で乗っ取ろうとする夫婦(?)や、子どもたちが音楽やダンスを習っているらしい教室)を双眼鏡で眺めたり、息子がまだ若かったころや自分がまだ若く美しかったころのことを思い出すという映画。
白黒で作られている。
映画は邸宅の中を出ない(唯一家を離れるのは、オープニングでおばあちゃんが医者にかかりに行き、無愛想な医者に怒るところのみ)。彼女の独白と小さな事件を基に構成される非常に静かな映画。
隣の音楽教室を抜け出して、彼女の家に忍び込む少年が「オレ、あだ名がドストエフスキーっていうんだ。皆からフョードルって呼ばれてんだ。」とか自慢げに言っているのがおかしい。ドストエフスキーって誰だか知ってるの?と聞かれて「うん、何となくね。有名な画家かなんかでしょ」。

16:30「太陽の年」(1984年ポーランド・西ドイツ・アメリカ合作、クシシュトフ・ザヌーシ監督)
第二次世界大戦終了後、戦犯調査団の運転手として、ワルシャワに赴任した、アメリカ将校ノーマンが、その地で故郷を追われた母娘の二人と出会い、娘のエメリアに一目ぼれするという話。
ノーマンもエメリアも若くはない。エメリアは飛行士だった旦那を戦争で亡くしている。
話の中であんまり良くわからないところがあった。戦後ポーランドの政治状況は難しいんだよな。
ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞しているらしい。

19:00「借金」(1999年ポーランド、クシシュトフ・クラウゼ監督)
ポーランドでイタリア製スクーターの輸入ビジネスを興そうとしているアダムとステファン(両人とも28歳)がメインキャラ。銀行でお金を借りようとするが、「保証がなければお金はかせない」と断られてしまう。
ダメか、と諦めかけていると、偶然出会ったステファンの幼馴染が「オレにつてがある」と助け船を出す。しかし、この見るからにヤクザな風貌の幼馴染に見事にだまされ、お金を借りるどころかありもしない借金を背負わされることになり、追い詰められていく2人。
実際にあった事件がモデルになっているらしい。
シリアスな内容をシリアスに撮っている。ちょっと中だるみしていた。
上映前にポーランド映画祭の作品選定にかかわっているらしいイエジー・スコリモフスキ監督が登壇して舞台挨拶(「借金」の監督をしているわけではない。本当は11月22日のポーランド映画祭開幕時に来る予定だったらしいが延期になっていたとのこと。今回は11/22~11/28と12/13~12/26の2部構成)。
スコリモフスキ監督の挨拶があるからか、満席だった。

2014/12/14(日)
9:00過ぎに投票に行く。出口調査を軽く振りきり、日本橋へ。
10:30「ゴーンガール」(2014年米、デヴィット・フィンチャー監督)@TOHOシネマズ日本橋
前評判が非常に高い作品。期待しつつ観る。

結婚5年目を迎える、ニック・ダン(やたらと肩幅の広いベン・アフレック)と、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)。
リーマンショックのあおりを受け、ニックもエイミーも失職してしまい、今はニックの故郷ミズーリ州で暮らしている。
5年目の結婚記念日、ニックが家に戻ると、部屋があらされており、エイミーがいなくなっている。
部屋からは血痕も見つかる。
謎の失踪事件は徐々に世間の注目を集めていく。
その事件の推移と並行して、エイミーの日記を語り手とした2人の出会い、プロポーズ、結婚生活がサブストーリーとして描かれている。
途中、「まさか!」という展開になる。
その衝撃を引きずりつつ、最後の再びの衝撃。
とんでもない映画だった。

エイミーが贈り物をある場所に隠し、それを見つけるためのヒント(「私が落ち込んでいるときに、唯一私の救いとなってくれる場所」など)が書かれたカードの入った封筒を渡し、その答えの場所に行くと、また別のヒントがあり、最後の場所に贈り物があるという「トレジャーハント」という2人の結婚記念日の恒例行事が一つのキーになっている。
エイミーが失踪した日にもヒントの封筒が見つかり、、、
もうひとつのキーは、エイミーの両親がエイミーの成長に合わせ書いている「アメイジング・エイミー」という児童向け小説。
日記の中でエイミーは「私がバイオリンを止めた次の年、小説の中のエイミーはバイオリンで賞を獲得する。私がバレーボールを止めた次の年、彼女はバレーボールの大会で優勝する」というようなことを言っている。
つまり、両親の中のかくあって欲しいエイミーがアメージング・エイミーに投影されている。
じゃあ、実際のエイミーとは何者なのか、「トレジャーハント」で問われるエイミーの姿とは?
日記中のエイミーが想定する理想の夫婦像(そうはなりたくない夫婦像との対比で語られる)とは何か?
最後にかけてのシーケンスについては、なぜそうなったのかを考えるのも面白い。

「私とは何者であるか」「他者から見られる私とは何者であるか」「他者とは何者であるか」「私たちとは何者であるか」「他者から見られる私たちとは何者であるか」という問いが重層的に問われていく「ファイトクラブ」とか「ソーシャルネットワーク」ラインのデヴィット・フィンチャー作品だなと。

ちょっと「ユージュアルサスペクツ」(1995年米、ブライアン・シンガー監督)要素もある。そこは原作由来なのか?
原作小説と、映画と比較をしたい。
毎月14日のTOHOシネマズデイで1200円ということもあってか、満席だった。

その後、ポーランド映画祭に行こうと思ったが、連日の飲みつかれで頭がふらふらするので、諦めて帰宅。
シャワーも浴びず、3時間くらい寝る。

 


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